サイボウズ株式会社が主催するCybozu Days2018 に参加しました。
今年のテーマは「楽しいは正義」です。様々なトークセッションや商品紹介のイベントです。
会場はまるでテーマパーク。
Cybozu Days2018のメインイベントとして開催された、サイボウズ株式会社の青野社長と「幸福学」を研究されている慶應義塾大学大学院の前野隆司教授による「楽しいは正義」についてのトークセッションについて紹介します。
- これからの働き方について考えているひと
- 今の職場環境に疑問を持っているひと
- 働き方を変えたいひと
目次
働きがいのある会社、サイボウズ株式会社とは?
サイボウズ株式会社は、日本における「働きがいのある会社」に5年連続ランクインの超優良企業です。
インターネット環境さえあればいつでもどこでも働けるクラウド型のグループウェア開発、販売、運用を主な事業としています。
企業理念にある通り、チームワークにあふれることで幸福度の高い社会を実現することをミッションとしています。
▼サイボウズのMISSION
チームワークあふれる社会は、幸福度の高い社会。
各々がチームに貢献できることを実感し、他者と感謝しあえる幸せな機会に溢れている。サイボウズはIT技術によってコミュニケーションのあり方を変革し、世界中にそんなチームの輪を広げたい。
社会にチームワークがあふれたら。一人ひとりがもっと豊かに生きられる社会になる。
私たちは、そう信じています。
働き方改革は世間で騒がれているが中々現実は変わっていない、その理由は「働かせ方改革」になっているから。
サイボウズは、「楽しければ成功、楽しくなければ失敗」、多様性を重んじ、社員が自由にやりたいように働ける会社です。
幸福度が高いことはどんなことに影響するか?
Cybozu Days2018のメインイベントとして、サイボウズの青野社長と「幸福学」研究の慶応大学の前野教授とのトークセッションが開催されました。
前野教授は幸福について哲学的に議論すると答えが出ないため、データによって統計的にに幸せを測ることを専門としています。
幸福度が高ければ、仕事の生産性が1.3倍高くなり、創造性が3倍に増えると実験で証明されているそうです。
また、寿命が7から10年長くなるそうです。
コブダイちゃん
幸福度を高めるには他人と比べないこと
幸福度を高めるためには、他人と比べない財があることが非常に重要と前野教授は言います。
まず、長続きする幸せと長続きしない幸せがあります。
物欲や金銭欲、地位欲などは長続きしない幸せです。
ある一定までは収入に比例して幸福度は高くなるが、途中から幸福度は上がりません。理由としては、他人と比べられる財を得ることで安全欲求が満たされるからです。そのため、一定以上になると幸福度は上がらないからです。
「宝くじに当選した人は不幸になる」といった統計データもあるそうです。
一方、長続きする幸せは「非地位財」による幸せです。お金や物ではない他人と比べなくて良い財が幸福度を長期的に高めてくれます。
コブダイちゃん
前野教授の研究では、心の状態が長続きする幸せにとって重要としています。
また、心の状態を高める4つの因子に整理しています。
- やってみよう
- ありがとう
- なんとかなる
- ありのままに
幸福度の高い心の状態 やってみよう
自己肯定感を持つことで幸福度が高まります。
大学の研究でアンケート調査をした結果、1年間に1回以上仕事でワクワクする人は30%しかいなかったみたいです。
そして、1日1回以上ワクワクする人は5%しかいないとのことです。
夢や目標を持ち、自己実現と成長を目指すことが幸せになります。
世の中にはこんなにもワクワクしていない人が多いことを知ると驚きですね。
幸福度の高い心の状態 ありがとう
人を喜ばせることや親切な行為など利他的な行為が幸せになります。
無理やり他人にお金を使って利他的になった場合も幸せになった研究結果があります。
また、多様なつながりの中で利他的になり、周りに感謝することも幸せにつながります。
日頃から、「ありがとう」と言う機会は少ないですよね?
妻への感謝、上司への感謝は以外と口に出しづらいですが、なるべく言葉にして伝えるようにすると良いですね。
幸福度の高い心の状態 なんとかなる
楽観的であることが幸せになります。
これは、「開き直る」の意味合いではなく、やることをやりきったからあとは結果を待つ、どうなったとしても仕方ないといった「人事を尽くして天命を待つ」と言う前向きな意味合いです。
ただし、日本人のDNAはセロトニンが出にくい人がなんと90%で世界一悲観的と言う検証結果が出たそうです。
この楽観的なマインドは先天性が50%、後天性が50%とのことなので、日頃の習慣や意志でなんとか挽回するしかないですね。
コブダイちゃん
幸福度の高い心の状態 ありのままに
人の目を気にしないこと、ありのままの自分でいることが幸福度が高いとされます。
たしかに、「ゴーイングマイウェイ」している人は幸せそうに見えますね。
日本は教育から「周囲と同じようにしなさい」と植え付けられ、人と違つことをすると煙たがられる文化があります。
自分らしく、ありのままに、モラルは守りつつも個性は尊重したいですね。
バランスが大事
利他的で感謝する気持ちに対して、ありのままかつ楽観的で自己実現への成長意欲がある個人主義的な考えは相反するようですが、どちらもバランス良く追求することが幸福へとつながります。
自分自身の強みと多様なつながりがあれば柱となりバランス良く連鎖していきます。
管理しない企業の社員は幸福度が高い
これまでの幸せに起因する4つの心の状態から、企業の管理体制は幸せと関係します。
管理をするとやらされ感が出て、心の状態が悪くなります。
管理を極力しない自由な企業はやらされ感がなくなって、心の状態が良くなるのです。
そのため、なるべく会社のルールは少なくシンプルに理念だけを追求できるような会社が理想です。
昨今、リモートワークなど多様化が進んでいますが、そこでガチガチにルールを固めるのではなく、公明正大にお互いを信じて仕事をすることが重要です。
とはいえ、サボる人は出てきますよね?
どこにいても使用できるグループウェアなどを駆使してコミュニケーションをとれる環境があれば、社員が自発的に状況や成果を共有することでき、解決できます。
また、サイボウズの青野社長の「アホは良いけど嘘はダメ」という名言があります。
たしかに、自分のアホを隠そうとすると嘘をついてしまいます。
嘘がつける状況後ルールで固めるしかなくなってしまいます。逆に正直かつ目的がずれていなければ管理をする必要はなく、パフォーマンスも高くなります。
幸せな企業は長期的に成功する
優秀で儲かっているのに不幸せな会社はまだまだたくさんあります。
特に社長だけ幸せな会社もたくさんあります。それはいわゆるブラック企業となります。
社長や創業者が成功したモデルを他の社員で同じことをすれば、短期的に利益は出せるが会社の幸福度は低いです。
そういった会社は長期的に発展できず、会社の業績が悪くなったら人がいなくなります。
一方で、幸せな企業は長期的にみて成功します。
幸福度を追求すると、連動して業績も上がっていく。離職率も低いため、穴埋めの人を雇って教育する無駄なコストもなくなります。
幸せな人は生産性が1.3倍、創造性が3倍というデータもあるように、中長期的にも発展していくことができるのです。
まとめ
昨今に話題の「働き方改革」ですが、もっと前から改革を進めてきたサイボウズは働き方に関して非常に先進的であり、モデルケースになり得ます。
企業としては、幸福度を高めることで、仕事の生産性や創造性が高まり長期的に企業が発展していける。
個人としては、まず日頃のマインドや習慣として、心の状態を幸せにすることは心がけるべきです。
環境面については、会社の制度を変えることが難しければ転職も視野に入れましょう。選択肢は多くあり、一社に依存することは避けるべきです。
働く環境や制度、文化については今後どんどん企業の差が広がるので、踏み出す勇気と正しい選択ができるようにしたいですね。
人手不足や多様な働き方のニーズがさらに高まっていく今後の日本において、各企業が対策するか対策しないかで人材の集まり方が二極化してくことでしょう。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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